三男の話

お取越(おとりこし)の話

みなさん、おはようございます。三男です。12月も半ばとなり、もういくつ寝るとお正月と言うところまで来ています。この時期になりますと、「お取越(おとりこし)」ということをお願いされることが多くあります。今回は、このお取越についてお話しさせていただきたいと思います。

まず、よくある間違いというのは、「お年越し(おとしこし)」との聞き間違いです。語感が似ていることで、年を越す前にしないといけないんですよね、と依頼させることもあります。お取越と言いますのは、簡単に言えば、各お家で行う報恩講(ほうおんこう)ということができるのではないでしょうか。他にも、「ほんこさん」、「お引き上げ」などと親しまれています。

では報恩講というのがなんなのかも説明していかなければいけませんね。報恩講と言いますのは、浄土真宗を興されました、親鸞聖人のご命日の前一週間から行われる法事です。真宗大谷派(東本願寺)では11月21日~28日に浄土真宗本願寺派(西本願寺で専願寺はこっち)は1月9日~16日まで勤修されます。

この日にちの違いは、旧暦を採用しているか、新暦を採用しているかの違いです。存外、東本願寺と西本願寺で日にちが被らないようにしているのかもしれませんね。確かに兄弟喧嘩で2つに分かれてしまった本願寺ですが、今は良好な関係を築かせていただいています。

話を戻しましょう。京都の本山では1月9日~16日に報恩講を勤修されますが、他の寺院でもその日に報恩講をしてしまうと、本山の報恩講の参拝することができません。ですからその日程を繰り上げて、各寺院や各お家でも親鸞聖人のご命日の法事、報恩講を執り行い、報恩講当日は本山に参拝させていただく、と言うことなんですね。

私たちが、この命を終えたらお浄土へと参らせていただく、死んで終わりの命ではないと言うことができるのは、親鸞聖人の生涯をかけて尽力されたからです。そしてその教えが、私たちの両親、おじいちゃんおばあちゃん、ひいじいちゃん、ひいばあちゃん・・・そんな昔から受け継がれ、私たちのもとへと届いているのです。

そのことをお取越という形で、皆さんと一緒に慶ばせていただきましょう。そして、ご縁があれば、一度は京都の本山の報恩講に赴いていただいてはどうでしょうか?

合掌

 追伸、質問やご意見がある方はお問い合わせを利用して連絡をお願いします。

関連記事