鳳笙(ほうしょう)

通称、笙(しょう)と言われています。笙は17本の竹を束ねたような形をして、15本の竹の根元に金属のリードが付いており、それぞれの竹の先には弁が付いています。息を吸ったり、吹いたりすることでそのリードが振動して音が奏されます。原理としてはハーモニカによく似ています。和音を奏するのが主で、他の楽器の音を包み込む役割があります。音としては、「天から差し込む光」・天の音を表しています。

篳篥(ひちりき)

篳篥は竹の筒に桜の木の皮を巻き、漆で仕上げたものです。そこに葦(あし)を削って作った舌と呼ばれるリードを差し込み、息を吹き入れて音を出す縦笛です。小さな楽器ですが、一番大きな音を出し、主旋律を担当します。音域は狭く、1オクターブと2、3音です。大体、男性が出せる範囲の音域です。古代の人々はこの音色で「人間の声」を表したといわれています。つまりは地上の音・地の音を表しています。

龍笛(りゅうてき)

龍笛は篳篥と同様に、武の筒に桜の木の皮を巻き、漆で仕上げたものです。合奏においては音頭を取り、先導する役目があります。古代の人々は、この楽器の名前の通り、天と地の間を泳ぐ「龍の啼き声」・空の音を表しています。

雅楽における3つの管楽器を合奏するということは「天」「地」「空」を合わせることであり、宇宙を創ることなのだと考えることが出来ます。